てくり袋を


「いや。もしくは、狙っているというべきなのか?何か、お婿さんになる話あったよね、日本昔話でさ。」」?実はな、おまえは稲田家から、本家の海鎚(みづち)の家に差し出される人身御供なんだ。」

「へ????ごくうって????ぼく、西遊記の猿なの。」

あ、顔色が変わったってことは、図星なのか?

「あほうっ!おまえは、どんだけ馬鹿なんだ???それは、孫悟空だろうがよ。」

?だったら、何だよ?ぼくに分かるように、きちんと説明してよ。」

親父は、お袋の方香港國際學校を向いてこんな馬鹿で、本家の方は本当に大丈夫なのかと、問うた。

?俺は、責任持てないぞ。他に代わりのものはいないんだぞ。」

「あら、何も知らないほうが初々しく見えるってこともあるでしょう?いっそ、あなた好みに染めてくださいってのも、有りだわ。」

あのー???ちょっと、よろしいですか。

夫婦の楽しげな会話に、口を挟むのもどうかと思うのですが???その台詞、どういう意味ですか?

二人は突然、黙り込んでしまった。

空気が不自然に、重いです。
ぼくには話が何も見えなくて、聞きなれない単語におたおたしてしまう。

とにかく。

学校には親戚で法事が有ると連絡し、部活の休みを貰って、明日からの春休みに本家に行くことになった。
そういえば、本家だとか分家だとか、知ってはいるけど余り深く聞いたことがなかった。
子供の頃に、木しか生えていない何もない田舎に行った記憶はあるんだけど、あれがそうだったのだろうか。

まあ、着替えは、スウェットとパーカーでいいかな。
本家に何があるのか???
それ以上考えるのをやめて、久しぶりの家族の小旅行に、ぼくの気分は甲醛すこしばかり浮かれていた。
今回は、大事な節目の祭礼だとかで、先祖供養もかねて神楽舞などの神事が、豪勢に行われるのだそうだ。

山陰の方に、本家は在るらしいのだけど、ぼくの家は事情があって大昔にこの地に流れてきたらしい。

その大人の?事情」辺りは、誰も教えてくれないんだけどね。
青ちゃんの家も親戚だから、末席に位置するのだという。

一緒にいくと聞いて、そこはちょっと心強かった。
だってさ、ど田舎なんだよ。
不便なのは我慢できるとしても、山ほどいそうだよね、ぼくの大嫌いな「長いもの」。

「あのさ。人身御供って、基本何をすればいいの?」

親父が席を外した隙に、母親に話を振ってみた。
ちゃんと辞書で引くべきだったと、後で思った。

『人間を神への生け贄(にえ)とすること。また、その人間』

そんなのぱぱっと検索すれば、すぐに分かったのに。

「クシ。行けばわかるわ。」

いつに無く、真剣な面持ちで母親は語った。

「これはね???おまえが、この世に生まれるずっと前から、決められていたことよ。」

?長い間、海鎚の家では、正当な依り代(ヨリシロ)が生まれてくるのを待っていたの。」

「よ???よりし????」

「巫女さんみたいなものよ。」

ぼくの脳内では、近くの神社の初詣でおみくじや、お守売っている巫女さんが浮かんでいた。

「そう。いつかきちんと話をするけれど、あんたには、早くに亡くなった双子の女浸大工商管理の子がいたって話、知っているでしょ?本当なら、その子が最適だったんだけど。」

「う~ん???そういえば昔話をしていたような???。」

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